物理的な力を使わずに音だけで手の「抵抗感」を伝える

知覚拡張システム研究室

物理的な力を使わずに音だけで手の「抵抗感」を伝える

2026年10月26日 News Publication 0

当研究室のDaniel Oswaldo Lopez Tassaraらの研究成果が、学術誌『Applied Acoustics』に掲載されました。

▸論文および研究の概要


【論文タイトル】

“Hand-in-River: Design of Direction-Dependent Virtual Cues of Assistive/Resistive Force via Auditory Displacement and Pitch Variation”
(Hand-in-River: 聴覚変位と音高変化による方向依存的な仮想アシスト・抵抗力覚キューの設計)

【内容】

仮想の川を再現した環境で、水音の高さと位置を調整するだけで、手が水流に逆らう「抵抗感」が得られることを示しました。このとき、手に感じる「抵抗感」と「動かしやすさ」では音の効果が異なる可能性があります。視覚に頼らず、空間の境界や障害物の存在を音で伝える技術への応用が期待されます。

【ポイント】

①物理的な力を使わず「音だけ」で手の抵抗感を錯覚提示
視覚や物理的な力触覚デバイスを用いず、ヘッドフォンから流れる水音の「高さ(ピッチ)」と「聞こえる位置(変位)」を変えるだけで、手が水流に逆らうような「抵抗感」が得られることを示しました。

②「音高の上昇」と「音位置のズレ」が強い抵抗感を生む
音の高さを高く設定し、音が聞こえる位置を実際の手の位置から後方へずらす条件において、最も強い抵抗感が得られることを解明。一方で、音を下げても「後押しされる感覚(アシスト感)」は生じにくく、抵抗感と動かしやすさで音の作用メカニズムが異なることを示しました。

③視覚障害者支援やVR/ARの非視覚インターフェースへ応用
視覚情報に依存しないため、視覚障害者が仮想空間の境界や障害物の接近を「音による抵抗感」として直感的に察知できる技術や、アクチュエータ(モーター等)を搭載しない軽量な非接触型力覚提示システムへの応用が期待されます。


最新の研究成果に関するプレスリリースが筑波大学公式サイトに掲載されています。
詳細は以下のリンクよりご覧ください。

▶ 筑波大学 公式プレスリリース(2026年10月13日掲載)

■ 掲載論文

【掲載誌】
  Fisheries Research

 【DOI】
10.1016/j.apacoust.2026.111579

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